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業界の中での自分の技術力を
客観的に認識できる【デンソー】

2021.4.9
  • 人材育成

電気電子系の技術者育成が日本の製造業全体で求められる中、株式会社デンソー様は、中堅技術者向けの研修カリキュラムの一つに「E検定」を取り入れています。入社3年目までを対象とした教育に次ぐ形で行われる中堅技術者向けの教育は、コア技術を極めると同時に幅を広げることを目的としており、OJT&OFF-JTで身につけた自身の電子専門知識を測る試験として、E検定の受験を奨励しているところです。公的な試験のため、業界全体の中での自分の技術力を客観的に知ることができる点を評価しています。

中堅技術者のスキルをどうやって確認するか

長崎 仁典 様

自動車向けのエレクトロニクス製品でグローバルに事業を展開するデンソー様の技術教育体系は、階層別教育と職能別教育に分かれています。このうち職能別教育を担当するのがコアスキル開発部で、配属先の担当製品に合わせた技術分野別のスキルアップ研修や技術者としての教養を深める技術者教養研修、技術研究の討論会・論文審査などを推進しています。

同社の新入社員は入社3年目までに、担当製品責任者として一人前になることが求められています。そのスキルを確認するために行われているのが社内の「技術検定」です。社内で作問された試験で、同社で数十年に渡って若手の技術力チェックに活用されている歴史のある検定です。3年目に受験することが奨励されており、検定を経て中堅技術者の仲間入りを果たすことになります。

しかし中堅技術者については、習得したスキルを確認する手段はありませんでした。「試験を行うとしても中堅技術者が学ぶ技術は幅広く、分業化やグローバル化など業界を取り巻く大きなトレンドも試験に反映しなくてはなりません。若手対象の技術検定のように社内で作問することは難しいと考えていました」(長崎様)。

電子製品設計の技術教育のブラシアップを図るため。同社では2014年に「電子ハード人材育成検討ワーキンググループ」を立ち上げ、テーマの一つとして中堅技術者のスキルチェック方法の検討を始めました。検討を経て、技術者が自ら学びながら成長できるツールと考えて2015年に導入を決めたのが「E検定」です。

導入したソリューション E検定~電気・電子系技術検定試験

全受験者でただ1人の「エバンジェリスト」を輩出

E検定は、同ワーキンググループが奨励する「電子専門知識自己レベルテスト」として導入しています。受験希望者には、E検定の運営事務局を務める株式会社サートプロが発行する学習教材のEラーニング教材も用意しており、受験者の自学自習を支援しています。

電子製品設計(ハード)技術向け教育体系

試験は毎年秋の全分野試験を活用する形で社内開催されており、毎回30〜40人が受験しています。2019年秋の試験では、65点以上の受験者に与えられる「エバンジェリスト」の称号を1人が取得。64〜55点の「シニアエキスパート」は7人、54〜45点の「エキスパート」は9人がそれぞれ取得しています。最難関のエバンジェリストは2019年秋の全受験者の中でも同社の1人だけで、同社の教育プログラムの高い効果が表れる形となりました。

2020年秋の試験では、同社の受験者の成績はさらに向上したとのことです。「Eラーニング教材は在宅勤務でも活用できるので、昨年のコロナ禍の中、在宅勤務が進んだため、通勤の時間が自己啓発に充てられるなど、自学自習がさらに進んだ結果かもしれません」(長崎様)。

導入したソリューション E検定~電気・電子系技術検定試験

技術力向上へのモチベーションが高まった

荒井 総一郎 様

効果の一つとして長崎様が挙げるのが、中堅技術者の技術力向上に対するモチベーションが高まったことです。試験の結果は合計点だけでなく、分野別の成績もレーダーチャートなどの形でフィードバックされるため、「技術者が次に目指すべきポイントが分かり、ステップアップへのモチベーションが高まっています」(長崎様)。先に受験してモチベーションが上がった技術者が後輩にも受験を勧めるようになった結果、中堅技術者にとってE検定は定番のプログラムとなったと評価しています。

また「自分の技術力が全国レベルで分かるようになったこともメリット」と長崎様は指摘しています。社内という限られた範囲内での比較ではなく、他社の技術者も含めた業界全体の中で自分のレベルを知ることが可能になり、さらなる意欲向上が期待できるようになったとのことです。

今後のE検定試験の活用として「会社の事業管理をする中で、どの部門もKPIの設定と評価が求められています。人材育成面では、E検定の受験結果をKPIとして活用していくことも考えています」(荒井様)。

導入したソリューション E検定~電気・電子系技術検定試験

「E検定~電気・電子系技術検定試験」は、若手から中堅までの技術者を対象に、電気・電子系技術者に求められる知識やスキルを測定する検定試験です。
自身のスキルレベルを把握し、強みや弱みを認識することで、自身の技術力向上への意識が高まります。

技術企画部 技術企画3室 
専門技術教育企画1課
長崎 仁典 様
ソフト生産革新部 マネージメント基盤室 開発1課
荒井 総一郎 様
企業名
株式会社 デンソー
本社所在地
愛知県刈谷市
設立
1949年
全従業員数
170,932人名(2020年3月31日現在)
URL
https://www.denso.com/jp/ja/
事業内容
先進的な自動車技術、システム・製品を提供する、グローバルな自動車部品メーカーです。
世界初製品や技術の提供を通じて、企業の社会的責任を果たしていきます。