デジタルメディアDigital Media

発足した技術×広報チーム
社内外への企業広報を通じて、「選ばれる」企業への脱皮を図る

古河電工パワーシステムズ株式会社

デジタルメディア
デジタルメディア

古河電工パワーシステムズ株式会社は、2012年、古河電気工業の配電部品事業と関係会社3社が合併して設立された総合電力機材メーカーです。2024年4月、新規事業開発を全社一丸で目指すために技術開発本部を立ち上げ組織を改変、また部署間連携にて広報の仕組みを構築し自社の強みをより広く発信することで、様々なステークホルダーとのつながりを強化していこうとしています。そんな同社が、世の中の様々なトレンドをキャッチするために購読を開始したのが「日経クロストレンド」です。高い技術力を誇るメーカーが、日経クロストレンドをどのように活用しているのか、詳しくお話をお伺いいたしました。

たどり着いた社内外への企業広報の重要性

総合電力機材メーカーである古河電工パワーシステムズは、電力会社や鉄道会社などの顧客を中心に、送変電機材をはじめとする多種多様な製品を扱っています。近年は、データセンターでの電力利用など新しい市場が広がりつつあり、これまでとは違うやり方で自社をアピールしたいという機運が高まっていました。

しかし、新規市場の分析や、新規事業開発を進める上で一つの課題に直面します。多岐に渡る自社の技術の強みを、従業員も把握し切れていないという事実です。その原因は、同社が生まれた経緯にあります。同社は、2012年、古河電気工業の配電部品事業と旭電機、井上製作所、古河パワーコンポーネンツという4社が合併して設立された会社です。そのため、事業所も日本全国に分散しており、一つの会社としてどうまとまっていくかが課題でした。社外だけでなく、社内にも積極的に情報を発信し、組織としての一体感を醸成する必要があったのです。

管理本部 総務部 全社広報担当 技術×広報チーム
高森 恵 様

チームメンバー3名は2023年4月、若手社員が組織を横断して会社の未来を話し合う「次世代プロジェクト」にて出会いました。「技術と広報」社内での役割や立場は異なりますが、自社の魅力を発信し、新しい時代に向けたビジネスにつなげていきたいという想いは同じでした。上司を交えて打合せを重ね、満を持して発足したのが、今回の「技術×広報チーム」です。「様々なバックグラウンドを持つメンバーが、議論を重ねた末にたどり着いたのが、『社内外への技術PRによる企業広報の強化』だったのです。」管理本部 総務部 全社広報担当 高森 恵様 はこう語ります。

「あの企業のサービスは、なぜ魅力的に見えるのか」PRの重要性を、他社事例から痛感

「新しい時代に向けたビジネスに繋げていきたいという想いから、社会に必要とされる情報を発信したいと考えました。当初はどうすればよいのかわからず、まずは『世の中で行われている情報発信とは、どういうものが共感を生むのか』ということを調べていく中で、メッセージ性のあるクリエイティブ広告を解説する『日経クロストレンド』の記事に目が留まりました。様々な他社の事例を読み進めていく中で、BtoB、BtoC関係なく、『世の中の流れやトレンドを正しく理解し、そこに沿った施策を立てないといけない』ということを痛感し、新しいチーム全体で購読をすることを決めました。製品や業種は自社と一見関連のないものであっても、『この商品やサービスは、どうしてこんなに魅力的に見えるのか』という点に着目して記事を読み、自社の製品PRや、技術解説に転換して考えることで、様々な発見が生まれています。」(高森様)

日経クロストレンドの活用方法は、定期的な情報収集とそれぞれが気になった記事を共有するほか、定例会議で意見交換もしているとのこと。多様なコンテンツがあり、新しい学びに繋がると語るのは、技術開発本部 電力機器技術課 保坂 一哉 様です。

「チーム内で共有された記事がマーケティング、消費者動向、広告、ブランディング、デザインなど幅広い分野の最新情報やトレンドがあり、紹介してもらった記事が新しい気づきやチーム内の共通認識に繋がり、コミュニケーションがとても取りやすくなったと感じています。」

業界や業種を問わず、様々な企業の「つかえる」事例が豊富である点を、技術開発本部 技術戦略課 課長の芦田恭典様は次のように語ります。
「私たちと同じように、何かを変えていきたいけれど何をすればいいのかわからないという中で、社会のトレンドを捉えながら変化を起こしていった企業の記事が多いという印象がありました。実際に自分達が参考にできそうな事例が多く取り上げられており、ギフトの機能で部門内のメンバーにすぐにシェアすることができる点も、使い勝手がいいですね。」

記事を共有することで、自分の思いを仲間に伝えやすくなると高森様は話します。「『私が言いたいのは、この記事みたいなこと』と伝えると、メンバーがスムーズに理解し、それをきっかけに議論が広がっていく。このような記事の使い方は、とても便利だと感じています。」(高森様)

サービスブランディングから組織経営論まで、幅広い記事から議論につなげる

技術開発本部 技術戦略課 課長 技術×広報チーム
芦田 恭典 様

ここで、最近の日経クロストレンドの中で気になった記事を挙げてもらいました。

芦田様が選んだのは、「幸福度1位モスバーガーの転機 社長が加速した『2つのフラット化』」という記事です。モスバーガーは、マーケティング本部を新設し、その下に商品開発部門を設置します。また、よりフラットな組織体制に変更したことで、意思決定のスピードを加速できたという記事です。
「まったく業種が違う他社の取り組みですが、組織運営として非常に参考になる記事だと感じました。組織横断で取り組んでいくことが、事業発展には必要不可欠だと考えています。当社でも、2024年4月に新規事業開発を全社一丸で目指すために技術開発本部を設立し、広報との連携も強化したところでした。」(芦田様)

また、モスバーガーの店舗のほとんどがフランチャイズ(FC)という中、本部との関係は「共通の理念を持った対等な立場」と位置付け、FCオーナーの方々が中心となった地域への貢献活動にも共感したといいます。
「FCオーナーがそれぞれの地域での社会貢献や未来を考えている点について、今の私たちの課題である、従業員一人一人が当事者意識を持って行動するためにどのような活動が必要なのかを考える上で、非常に参考になりました。記事中にある新規事業の社内提案制度は、当社でもそのような環境を醸成し、いつか実現したいですね。」(芦田様)

幸福度1位モスバーガーの転機 社長が加速した「2つのフラット化」 2024年3月26日

「一生使えるホーロー鍋 バーミキュラの葛藤と前代未聞の答え」という記事を選んだのは、保坂様です。保坂様は、新着情報やランキングから読む記事を選んでいるとのこと。その中で、「一生使える」というワードに目が止まったといいます。鋳物ホーロー鍋ブランド「バーミキュラ」が、顧客が使用している自社製品を引き取り、再溶解して、新モデルやサイズ違いの鍋に造り直すという内容です。
「当社の製品も鋳造のものが多く、送電線に取り付けられた製品は、劣化のため30年ほどで取り替えられます。サステナブルを考えるべき今の時代に、社会に必要とされ続けるためには、魅力的な価値のある製品を提供し続けることが重要です。自社の製品がサステナビリティに配慮したものとなれば、従業員の誇りにもなるでしょう。寿命を迎えた製品の回収から再利用までの循環システムは、当社だけでは実現が難しいですが、従業員を巻き込んだ魅力的な企業広報を通じて、顧客とともに環境負荷の低減を目指す活動として取り組んでいきたいと思っています。」(保坂様)

「一生使えるホーロー鍋」 バーミキュラの葛藤と前代未聞の答え 2024年4月15日

そして高森様が選んだのは、「静岡の町工場に学ぶ『ブランディング』成功法則 求職者3.5倍の裏側」という記事です。普段、記事のタイトルのキャッチーさを重視して記事を選んでいるという高森様。このタイトルには、自分の興味を引く内容がすべて詰まっていたといいます。静岡の町工場が、「工場を、誇ろう。」という企業理念のもと、デザイン性を高めてリブランディングした取り組みです。
「私が企業広報に取り組みたいと思ったのは、社内外から選ばれる企業になりたいという思いがあったからです。選ばれるために何をするべきなのか。それを実践したのがこの記事の取り組みだと感じました。」

静岡の町工場に学ぶ「リブランディング」成功法則 求職者3.5倍の裏側 2024年6月26日

とはいえ、この取り組みが成功したのも、明確な企業理念があったからこそでしょう。古河電工パワーシステムズが所属する古河電工グループでも「『つづく』をつくり、世界を明るくする。」というパーパスが掲げられています。しかし高森様は、このグループパーパスと自社とをつなぐ、独自のメッセージが必要だと考えています。「経営陣の思いを社内外へ伝える企業メッセージの策定について検討を開始しました。」(高森様)
「企業広報として取り組んでいくことはたくさんありますが、まずは、「選ばれる」企業への脱皮を図るために、技術力を発信し、社内外にファンを増やしたいと考えています。そのためにも、日経クロストレンドから社会のトレンドを理解し、必要とされる情報を発信していきたいですね。部署や働く場所を横断しながら、全社一丸となって取り組んでいきたいと考えています。」(高森様)

「何かを変えたい」ヒントを提供するプラットフォームとしての役割

技術開発本部 電力機器技術課 技術×広報チーム
保坂 一哉 様

最後に、今後の日経クロストレンドに期待することを伺いました。保坂様は、他の読者の皆さんとつながる機会が欲しいといいます。

「日経クロストレンドの記事は、全体的に前向きで明るいイメージがあります。読者の方も、何か新しいことがしたい、何かを改善したいと考えている人たちでしょう。そうした方々とつながって一緒に学ぶ機会があると嬉しいですね。」(保坂様)

高森様は、メディアの活用に向けたサポート体制に驚いたといいます。
「サービスの導入時から様々なご提案をいただき、組織内への活用促進案のご提示から、購読者全体に向けての活用説明会も開催をしてくださいました。弊社の課題に寄り添ってくださる姿勢が伝わり、相談をして本当によかったと感じています。これからも困ったときに、いろいろ相談をさせていただきたいです。」(高森様)

芦田様は、記事の多様性を評価し、次のように語ってくれました。
「私たちにもできるのではないかと思える事例記事が幅広くあり、内容も専門的ではあるが、わかりやすい。読者に対しての距離感がちょうどいいですね。メンバーで記事を共有する中で、同じ記事が被ったことがないというのも、記事の多様性あってこそ。今のような記事を続けていただくことが、一番心地いい気がしています。」

今回は、皆さんの会社を良くしていきたい、変えていきたいという強い思いが伝わってくる取材でした。日経クロストレンドの記事が、新しい挑戦に向けたヒントとなり、皆さんの行動を後押しするきっかけとなれば幸いです。

時代の変化に合わせた広報活動の在り方を、組織全体で考える

古河電工パワーシステムズ株式会社 代表取締役社長
大野 和哉 様

社会に貢献する総合電力機材メーカーとして、新規事業開発を目指す上でいかに技術力をPRしていくかは大きな課題でした。既存、新規それぞれのお客様、パートナー企業の皆さま、従業員など各ステークホルダーに合わせたPRが必要となります。そのためには、全社一丸となって、社内外の情報を共有し、皆で協力しながら取り組んでいかなければならないでしょう。今は、自社の利益だけを追求していればいいという時代ではありません。社会に貢献し皆様に選ばれる企業として、存在意義を示せるように邁進する上で、世の中の変化やトレンドを、スピード感をもって取り入れる必要性を感じています。

導入したソリューション 日経クロストレンド 法人向け特別プラン

「日経クロストレンド」は、マーケターの課題に寄り添い、イノベーション活動を支援するデジタル専門メディアです。「マーケ」「ヒット商品」「新ビジネス」「小売り・EC」「テクノロジーの」5分野の記事を毎月200本以上配信。マーケティングや商品開発など実務担当者の視点を大切にするとともに、実際の仕事で役立コンテンツを提供します。

管理本部 総務部
全社広報担当
高森 恵 様
技術開発本部 技術戦略課
課長
芦田 恭典 様
技術開発本部 電力機器
技術課
保坂 一哉 様
法人名
古河電工パワーシステムズ株式会社
本社所在地
神奈川県横浜市青葉区
創立
2012年10月
従業員数
625名(2024年現在)
Webサイト
https://www.feps.co.jp/
事業内容
送電から配電まで電力供給網全域をカバーする総合電力機材メーカー。2012年に電力トータルシステムに関わる全てのソリューションを提供できる企業として、古河電気工業(配電部品事業)と関係会社3社が合併して設立された。送変電機材、架空配電機材、地中配電機材、鉄道用製品など幅広い製品を扱う。

2024.10.18