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日経クロステックで経営理念を実現させる学びを促進核となる「技術革新」情報で健康経営®とデータヘルスの発展に取り組む

株式会社明治安田総合研究所

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確かな安心をお届けする明治安田生命グループの一員として、クオリティの高い調査研究成果を提供し、社会に貢献する戦略的シンクタンク、明治安田総合研究所。開発支援部のデータヘルス・健康経営チームは、データ分析を通して、明治安田生命グループで働く従業員とその家族の健康増進を図る明治安田生命健康保険組合の医療費適正化と財政基盤強化、健康経営を通じた明治安田生命グループの社会的価値・企業価値の創造を支援しています。同社では、研究に役立つ情報収集の手段として「日経クロステック」を法人契約し、そこで得られた情報を社内で共有しているといいます。その具体的な活用方法を、開発支援部データヘルス・健康経営チーム 渡辺 直紀様、金井 健治様、吉野 公暁様に伺いました。
(「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です)

健康経営で従業員とその家族の健康を増進

渡辺 直紀 様

明治安田生命における健康経営のより具体的な目的は、明治安田生命グループで働く従業員とその家族の健康増進を通じて、生産性向上・職場の魅力度向上を実現することです。

「その結果として、明治安田生命とお客さま・地域社会・働く仲間・未来世代との絆が強まり、企業的価値や社会的価値の向上へとつながると考えています」と話すのは、開発支援部データヘルス・健康経営チーム 渡辺 直紀様です。

そんな同社が、健康経営を強力に支援する理由は、明治安田生命が掲げる経営理念「確かな安心を、いつまでも」を実現するためです。「従業員が健康で生産性高く働けていなければ、お客さまに安心をお届けすることはできません。明治安田生命の『健康』というブランドを確立するためでもあります」(渡辺様)

明治安田生命グループの健康経営では、従業員やその家族に向けた健康づくりの取り組みをただ実施して終わりにするのではなく、データを可視化して効果を検証し、改善に繋げるというPDCAサイクルを回す必要があります。
「我々は、健康づくりに向けた取り組みの実施状況、生活習慣等の行動指標、健康状態の指標、生産性の指標等を算出し、指標間の関連やどのような取り組みがこれらの指標の向上に寄与するのかを分析、検証しています」と渡辺様は語ります。

健康経営®戦略マップ
明治安田生命グループが、健康経営でめざす姿、健康経営を通じて解決したい経営課題、それらに向けた各取り組みとのつながりを、ストーリーとして組み立てたもの(明治安田総合研究所、明治安田生命、明治安田生命健康保険組合が協働して作成)

明治安田生命では、社内外問わず「みんなの健活プロジェクト」という活動を広く進めています。これは、一人ではなかなか継続できない健康増進の取り組みを、みんなで一緒にやっていこうというものです(健活とは「健康に向けた前向きな活動」を略した呼称)。健康を「知る」、健康を「つくる」、健康を「続ける」という3つのステップを基本とし、さらには疾病の早期発見・重症化予防を図る「見つける」・「ふせぐ」取り組みで、「健活」の輪が広がっています。

また、明治安田生命は、従業員向けに、スマートフォンアプリ「MYログ」を提供し、日々の健康データを記録してもらっています。歩数の自動記録のほか、生活習慣データを入力する機能もあります。「良い生活習慣の項目がビンゴ形式になっており、それが達成できると福利厚生サービスと引き換えできるポイントがもらえます。また、個人ごと・所属ごとの歩数対抗戦では、上位者・上位所属名がアプリに掲載され、表彰されるなど、さまざまな工夫を凝らしています」(渡辺様)

導入したソリューション 日経クロステック 法人向け特別プラン

健康経営とデータヘルスの組み合わせで強みと弱みを補完する

金井 健治 様

こうした健康経営の推進と同時に、健診データやレセプトなどの医療データを分析し、保健事業に活かす「データヘルス」も支援しています。

「従業員やその家族の健康増進・疾病の早期発見・早期治療を促すことで、医療費適正化、ひいては健康保険組合の財政基盤安定化を図るのがねらいです。データを分析することで、従業員や家族が多くかかっている疾病とその医療費、疾病リスクが高い人を把握することができます。疾病リスクが高い人の重症化を予防する保健事業と、リスクが低い人を巻き込んで健康を増進する保健事業を組み合わせて実施し、その効果を検証することで、次の保健事業の改善につなげています。トップダウンの事業だけでなく、所属の健康状態・生活習慣・「健活」実施状況を可視化する保健事業も実施しており、これによりボトムアップでの「健活」推進を図っています。」と、開発支援部データヘルス・健康経営チーム 金井 健治様は語ります。

しかし、この医療データの分析は決して簡単ではありません。保健事業の対象にする人としない人に分けて実証することは、倫理的な課題もあり、PDCAのA(対策・改善)において、従来の分析手法では正確な効果検証ができないと懸念がありました。そのため、開発支援部データヘルス・健康経営チームでは、最新の統計学的手法である「統計的因果推論」を習得、保健事業の効果につき一定程度の因果関係も含めて検証できるようになったといいます。

「保健指導を実施したところ、対象者が生活習慣を改善しつつ、うち一部の方が服薬もして健康診断の結果が良くなったとします。その結果は、生活習慣改善の効果なのか、服薬の効果なのかが、因果推論で一定程度分かるようになってきました。我々は最先端の統計学的知見を習得し続け、科学的根拠に基づきデータヘルスを推進していきます」

現在、健診・医療データの分析により、多くの可視化が達成されましたが、将来的には、スマートフォンやウェアラブルデバイス等から随時取得できるデータを活用することで、より分析の品質が向上するのではないか、と開発支援部データヘルス・健康経営チーム 吉野 公暁様は話します。
「データヘルスで保健事業の効果を検証できるようになり、データドリブンで事業の改善を提案することができるようになったのは大きなメリットです。今後、アプリ等のデータも分析対象とすることでよりリアルタイム性の高い、一人ひとりに寄り添った提案ができるようになるかもしれません。」

このように、健康経営とデータヘルスの両面から取り組んでいる明治安田総合研究所。渡辺様は「それぞれに強みと弱みがあり、両者がそれを補完しあっている」と説明します。

健康経営は企業など事業主の取り組みですが、事業主のラインや社内運動を通じ、従業員への働きかけを比較的しやすいという特徴があります。例えば、定期健康診断に基づく精密検査指示に対し、受診報告を事業主の定期健康診断所管部署に届け出ていない従業員への受診勧奨、社内運動を通じた生活習慣改善の取り組み推進、などが挙げられます。しかし、疾病・医療費が記載されているレセプトデータは要配慮個人情報であり、健康保険組合が管理することとなっています。そのため、疾病リスクが高い従業員への働きかけが難しいのです。

一方、データヘルスは、健康保険組合の取り組みです。少なくとも特定健康診査データとレセプトデータは健康保険組合が管理するので、疾病リスクが高い従業員を抽出し保健事業を実施することができるのです。
「つまり、健康経営とデータヘルスを組み合わせることで相乗効果が発揮され、従業員、さらにはその家族の健康増進・疾病の早期発見・早期治療までサポートすることが可能になります」(渡辺様)

導入したソリューション 日経クロステック 法人向け特別プラン

日経クロステックの核は「技術革新」 他業界の事例も参考に

吉野 公暁 様

こうした取り組みを進める開発支援部データヘルス・健康経営チームが、情報収集のために活用するメディアが「日経クロステック」です。法人契約を決めた経緯を、吉野様は次のように語ります。

「他のメディアも含め幅広く情報収集する中で、気がつくと日経クロステックの記事を参考にしている社員が多かったのです。調査を行うにあたり、有料記事も読めるようにしてほしいとの要望が多数ありました。そのため、会社の調査リソースとして確保する必要性があると判断し、日経クロステックをはじめとするデジタルメディアの法人購読を始めました」

最近の日経クロステックの中で注目した記事を、みなさんに挙げてもらいました。金井様が選んだのは「特集 CESに集結、実現間近の最新ヘルステック」です。米ラスベガスにて開催される巨大テクノロジー見本市である「CES」を、日経クロステックの総力を上げて取材した特集記事になります。

特集 CESに集結、実現間近の最新ヘルステック

「CESの特集は毎年拝見させてもらっています。注目しているのはウェアラブルデバイスです。その中でもライフログとして脳波を計測できるデバイスは凄いと思いました。リアルタイム性のあるデータに対し何か施策を打てれば、さらに踏み込んだ生活習慣病の改善に取り組めるのではないかと考えています」(金井様)

渡辺様が挙げたのは、「スマートリング『Oura Ring』で睡眠分析、寝落ちも確実に認識された」です。睡眠データを自動で計測する指輪型のデバイス「Oura Ring」を実際に著者が試し、その使用感を詳細にレポートしています。

スマートリング「Oura Ring」で睡眠分析、寝落ちも確実に認識された 2022.02.09

「睡眠は従業員の生産性に関わってくる、非常に重要な要素です。しかしプライベート空間でのことなので、会社が支援するのはなかなか難しいのが現状です。睡眠不足はメンタル疾患の発生にも繋がります。こうしたデバイスを用いて、小さな実証実験から始められればと思っています」

そして、吉野様が選んだのが「特集 イチから知りたいApple Watch」です。おそらく、もっとも一般に普及しているであろうウェアラブルデバイスのApple Watch。吉野様は次にどのような機能が搭載されるのかを、日頃からチェックしているといいます。
「おそらく次は血圧計が搭載されると予想していますが、それがいつ頃になるのかが気になっています。また、GAFAMのヘルスケア戦略などもチェックしており、今後のApple Watchの活用法の可能性を探ったりしていますね。ウェアラブル機器に対する法規制の動向などにも注目しています」

特集 イチから知りたいApple Watch

GAFAM含むビッグテック7社のヘルスケア戦略、AI創薬や遠隔医療など6分野に注力 2023.01.05

明治安田総合研究所では、こうした情報を社内のグループウェアに投稿し共有しています。それぞれの投稿に対し、他の社員からの「いいね」やコメントでフィードバックをもらうこともあるといいます。
「当研究所において、研究活動を担当する部は、『開発支援部』『戦略研究部』『経済調査部』の三部です。その中でも互いに近い領域を研究している場合もあり、今後もこうした社内の情報共有は、積極的に広げていきたいと考えています」と渡辺様。

最後に、日経クロステックの記事を日頃読んでいる中で、どのような印象を持っているのかを伺いました。

「日経クロステックの記事はただニュースを報じるだけでなく、しっかり取材した上で、記者の知見からの解釈も含まれたものになっています。記事に対しての私自身の意見は持ちながらも、他者の新たな解釈はどんどん取り入れていきたいと思っており、とても良いと感じています」(金井様)

日経クロステックだけでなく、マーケティングを主な領域とする「日経クロストレンド」も併用している中で、切口は違う中にも、情報に相関性があると語るのは、吉野様。
「Apple Watchの機能や技術的な面は日経クロステックから知ることができ、そのApple Watchがどのくらい普及し、どのように消費者に活用されているのかは、日経クロストレンドから知ることができます。その使い分けが自分としてはすごくフィットしていますね」

渡辺様は「日経クロステックの核にあるのは『技術革新』だ」と指摘します。
「我々はヘルスケア業界の『技術革新』を追っていますが、日経クロステックには他分野のさまざまな『技術革新』の記事が掲載されています。例えば、マーケティング分野で、ある技術がイノベーションを起こしているという記事を見た時に、これをヘルスケア業界に取り入れるとどうなるだろうと考えることができるのです。非常に参考になっています」

明治安田総合研究所の皆さまの、貪欲に学ぼうとする姿勢がとても印象的でした。こうした学びが、健康経営やデータヘルスの発展へとつながっていき、ひいては、それが従業員の皆さまの健康につながっていくのでしょう。そして最終的には、明治安田生命が掲げる経営理念「確かな安心を、いつまでも」の実現へとつながるのだと感じました。こうしたつながりを広げるきっかけとなる価値ある記事を、これからも日経クロステックは届けていきます。

導入したソリューション 日経クロステック 法人向け特別プラン

「日経クロステック(xTECH)」はIT、自動車、電子・機械、建築・土木など、さまざまな産業分野の技術者とビジネスリーダーに向けた技術系デジタルメディアです。AI(人工知能)やIoT(Internet of Things)、自動運転、デジタルものづくり、建築物やクルマを変える新素材といった技術の最新動向と、法改正や新規参入者、新たなビジネスモデルなどによって引き起こされるビジネス変革の最前線をお伝えしています。

開発支援部 データヘルス・健康経営チーム
渡辺 直紀 様
開発支援部 データヘルス・健康経営チーム
金井 健治 様
開発支援部 データヘルス・健康経営チーム
吉野 公暁 様
法人名
株式会社明治安田総合研究所
本社所在地
東京都千代田区
創業
1991年7月
従業員数
45名(2023年9月1日現在)
URL
https://www.myri.co.jp/
事業内容
「確かな安心を、いつまでも」を使命とし、「信頼を得て選ばれ続ける、人に一番やさしい生命保険会社」をめざす明治安田生命。その明治安田生命グループのシンクタンクとして、国民一人ひとりが健康で豊かな生活を享受できる社会づくりへの貢献を目的に設立された。2019年、明治安田生命保険相互会社からヘルスケア、先端テクノロジー、ビッグデータ等に関する基礎調査機能を受管し、従来の生活設計、社会保障等の分野に加えて調査・研究領域を拡大、また、2020年には、経済環境に関する基礎調査機能を受管。

2023.9.26