教育・研修Education / Training

業容が広がる新電力、基礎知識の水準を上げて強いビジネスに

株式会社 Looop

教育・研修
教育・研修

株式会社 Looop (ループ)様では、新電力の業務に配属された新卒や中途採用の新入社員の研修に、「日経エネルギーNext経営塾 電力ビジネス基礎講座」を活用しています。新しい分野とあって、基礎的な知識を体系的に学ぶことが難しいという課題を解消でき、全体の基礎知識の水準が上がったとのことです。
また、毎月のように新入社員が加わる中で、研修を担当する社員の負荷が減る効果も大きく、その時間と労力をより本業に注ぐことができるようになった点でも、同社の急成長を支えていく存在になるでしょう。

社員の急増、業容の拡大で基礎知識の共有が課題に

小嶋 祐輔 様

Looop様は、2011年4月に設立され、11期目に入った企業です。「エネルギーフリー社会の実現」という、再生可能エネルギーを最大限に使いこなして電気代の支払いをゼロにする構想を掲げ、社会の動向や制度の状況に合わせながら、再エネ電力の発電から供給、活用までの一連の関連事業を手掛けています。

当初は固定価格買取制度(FIT)に基づく太陽光発電関連事業が中心でしたが、電力小売りの全面自由化にともなって、新規参入した電力会社「新電力」として、2015年12月から電力小売りにも事業領域を広げました。最近では、自家消費向けの太陽光発電や蓄電池の併設向けの事業にも注力しています。

新しい分野の若い企業ならではの課題として、優秀な人材の確保や育成があります。Looop様の場合も、売上高は約500億円、従業員が約300人に拡大してきた中で、他社で経験を積んできた中途入社の社員が多く、さらに、再エネや新電力という新しい分野であることから、育成で課題を感じていたそうです。

Looop様における電力小売りの業務は、販売代理店を開拓する営業、再エネ電力の調達、認知度の向上やデジタルを活用して売れる仕組みを作るデジタルマーケティングといった企画で主に成り立っています。最近では、電力小売りの業態が広がり、太陽光発電や蓄電池を備える家庭向けの電力購入契約(PPA)や電気自動車(EV)を介する調達や供給、エネルギー管理システム、さらに、スマートグリッド関連などにも広がっています。低圧の電力供給契約だけで約30万件の顧客がおり、これらの事業活動を支える業務やシステムの規模も大きくなってきています。

また、家庭用の太陽光発電・蓄電池システムの事業とも、似たような面が多く出てくるようになってきました。そこで、営業や業務・システムの面で新電力の事業との連携を進めています。

規模が大きくなり、さらに、手掛ける内容が広がってくると、関連分野全体の知識を共有することが難しくなりがちです。電力小売りを担当する社員は毎月増え続け、全社の約半分の約140人にまで増えてきました。

このような状況から、「社員ひとり一人の担当業務に必要な知識だけでなく、電力小売り全体の基礎的な知識を習得できていないと、他の部署が進めている関連する取り組みの内容がわからないといった問題が出てくる恐れがあります。この問題意識があり、電力小売りの業務に必要な基礎知識を全員が共有できるように、体系的に学べる方法を導入したいと模索していました」(小嶋様)。

体系的な内容で基礎知識の水準が向上

Looop様ではこれまで、それぞれの部署から資料を集めてまとめて共有し、それを使って先輩の社員が説明する方法で、電力小売りに関する知識を新入社員に研修していましたが、資料の作成方法や更新の頻度など、部署ごとにばらつきもあったようです。「電力ビジネス基礎講座の採用によって、体系的に考えられた内容の研修に変わり、電力小売り分野で働いていく上で必要な基礎知識を共通で理解できるようになりました。基礎知識の水準が上がり、かつ、揃う効果の大きさを実感しています」(小嶋様)。

さらに、従来の方法に比べて、研修を担当する先輩社員の負荷が減ったことも、大きな利点となっています。「毎月、数人ずつ社員が新たに配属されて増えている中で、先輩の社員はその都度、時間を空けて新たな配属者に研修していました。電力ビジネス基礎講座は、web上で1人で受講できますので、研修を担当する先輩社員の時間と労力が減少し、その分、本業の業務に時間と労力をより注げるようになりました」(成瀬様)。

とくに、中途採用で入社した社員に対して、効果が大きいとのことです。中途採用で入社した社員は、1年目は先輩に追いつくためのキャッチアップの時期、2年目からは本来の能力を発揮して成果を挙げられると意気込んでいる傾向があります。「しかし、2年目に伸び悩みを感じてしまう社員が少なくありませんでした。電力小売り分野の基礎知識を体系的に習得できていないために、2年目に自身が望んでいるような成果を出せていないのではないかと感じている傾向がありました。この問題を解消するためにも、電力ビジネス基礎講座は適していました」(小嶋様)。

「わたしは2018年に中途採用で入社し、以前の研修を受講した経験があります。研修してくれる先輩社員の対応が部署ごとにばらばらで、理解度もばらつきが大きかったことを覚えています。今回、電力ビジネス基礎講座を受講してみて、これを入社時に受講したかったという実感があります。最初にこの知識を知ることができていたら、あの時の業務の内容は、点と点がつながるように、もっと早く適切に理解できていたのになどと思い起こすことが多く出てきました」(成瀬様)。

「太陽光のEPC/OM等の事業にかかわる社員など、電力小売事業にかかわる社員以外にも、電源調達の基礎から需給管理業務、需要家とのやりとり等実践的な内容まで電力小売事業の知識を体系的に伝えることができ、発電~小売を一貫したサービスを提供する当社の強みを生かすためのソリューションになると感じました。
また、支店等の遠隔地にいる社員にも教育がいきわたり、深い理解につながったとの喜びの声を聴いております。」(水嶋様)

動画での講義、早回し再生機能も好評

今回、Looop様は、比較的大きな規模で「電力ビジネス基礎講座」を導入しました。これは対象者全員が揃って配属後の短期間で集中的に受講して欲しいと考えたためとのことです。

中途採用で入社して配属された社員には、配属後すぐにID(認証情報)を付与し、空き時間で「電力ビジネス基礎講座」を受講できるようにするなど、有効に時間を使えるようになりました。講座はPCやスマホと端末を選ばずブラウザ完結のため、地方への出張の移動中などのスキマ時間に受講する社員もいるようです。新卒の新入社員には内定時にIDを付与し、入社前の内定者研修としても活用しています。

受講者からは、「自分の担当分野に関する基礎知識だけでなく、他の部署の分野や取り組みに関する基礎知識まで体系的に習得できたといった声があるなど好評です。人事の担当者からも、一般的なeラーニングでありがちな資料を読むだけの構成ではなく、動画による授業のような内容も含む構成で、これまで採用してきた研修関連のサービスの中で最も良いという評価がありました。動画による内容を1.5倍速、2倍速など速度を速めて再生できる機能も好評です」(水嶋様)。

導入したソリューション 日経エネルギーNext経営塾 
電力ビジネス基礎講座

「日経エネルギーNext経営塾 電力ビジネス基礎講座」は、新電力ビジネスに特化した新人研修講座です。新卒・未経験者が入社・配属された後に受講し、電力ビジネスに必要な基礎知識を体系立てて学習することで、理解の水準のムラをなくし、正しい知識を身に着け、新電力ビジネスに役立てていただくことを目的としています。

取締役 電力事業本部長
兼 スマートライフ事業管掌
小嶋 祐輔 様
電力事業本部 企画開発部
事業管理課 課長
成瀬 佑二 様
電力事業本部 企画開発部
事業管理課
水嶋 友梨 様
企業名
株式会社 Looop(ループ)
本社所在地
東京都台東区
設立
2011年4月4日
グループ従業員数
約300名(2021年4月現在)
URL
https://looop.co.jp/
事業内容
太陽光発電所の開発・運営、太陽光発電システムや蓄電池システムの開発・販売・設置・工事・管理・メンテナンス、太陽光などの再生可能エネルギー発電電力を最大限に活用した電力小売りなど、再エネの創出から供給、活用まで一連の分野の関連事業・サービスを総合的に手がけている。

2021.6.7