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生体センシング最前線シリーズ
生体センシングは「ヘルステック(医療・健康×テクノロジー)」を実現し、2030年に向けてヘルスケア分野に革新をもたらす中核技術です。開発技術は多岐にわたります。継続的にバイタルサインをリアルタイムにモニタリングすることで、個人の健康管理から、疾患の予防や早期発見、治療・診断に至るまで、医療・健康分野の様々な領域を支える極めて身近な存在となるからです。多様なセンシング技術と、AI(人工知能)技術を駆使しながら、睡眠の質の可視化やフィットネスのような健康用途をはじめ、個別化医療(パーソナライズド・メディシン)の提供や手術時の臓器の状態把握といった高度な医療用途も含めて、大小多くの企業による新しい価値の提供を目指す競争が激化しています。本レポートは、生体センシング技術を血糖値、心電・心拍、血圧・栄養、呼気、脳、睡眠、生体音など11分野に分類。各分野で、2030年に向けた新ビジネスを担う可能性があるスタートアップ企業72社、大手・中小企業や大学28社、合計100社を選定し、各社が開発するヘルステックの概要、注目ポイント、技術開発の進展度、主な論文情報などをまとめています。
ヘルスケア分野の生体センシング技術は多岐にわたり、
網羅的に調査するには、膨大な時間が必要です!
こんな方は、ぜひ本レポートを活用してください。
生体センシング技術を11分野に分類、
各分野で2030年に向けた新ビジネスを担う可能性がある
先進企業100社を調査分析
食生活の変化や高齢化を背景に、糖尿病の患者は世界で急速に拡大している。血糖値センシングによるCGM(連続血糖値モニタリング)のニーズは高い状態にある。技術面では、患者の負担を軽減する低侵襲・非侵襲のセンシング技術の開発が進んでいる。今後は、これらの技術の進歩によって患者のQOL(生活の質)が大幅に向上し、糖尿病管理がより効果的かつ効率的になる。
スタートアップ企業7社、
中小企業2社、
大手・中堅企業2社、
大学2校
の動向を分析
心疾患は、世界における主要な死因の1つである。技術の進歩により、従来のかさばる機器が、装着しやすいウエアラブル型やパッチ型へと変わってきた。データの収集と分析の効率化が進み、AI分析の活用や、スマートフォンなどのモバイル端末との連携が注目されている。高齢化が進む社会において心電・心拍のモニタリング技術は、在宅ケアや遠隔医療の重要な要素として今後も成長するだろう。
スタートアップ企業4社、
中小企業1社
の動向を分析
血圧モニタリングは、心疾患の管理で重要な役割を果たす。特に、遠隔患者モニタリングは高血圧の管理や体重管理を目的に普及し始めている。血圧モニタリングにおける遠隔医療の普及とデバイスの小型化は在宅による日常的な健康管理につながるため、医療コストの削減と健康アウトカムの改善に寄与するだろう。栄養センシングにおいては、ビタミンやミネラルの血中濃度を家庭で測定できる技術の開発が進んでいる。在宅郵送キットやウエアラブルデバイスによる健康状態のモニタリングが普及し、個別化された商品やサービスの需要が高まるだろう。
スタートアップ企業7社、
大手・中堅企業2社、
大学1校
の動向を分析
組織・臓器のセンシング技術は、手術などの治療の予後管理として開発が進んでいる。携帯型の超音波装置による術後経過モニタリングや、カメラで取得した爪の画像から白血球レベルを評価し、化学療法後のがん患者の免疫機能をモニタリングする技術などが提案されている。センシングの高精度化、デバイスの小型化が進むに従って遠隔医療の選択肢が広がっている。
スタートアップ企業11社、
大手・中堅企業1社、
大学2校
の動向を分析
汗・唾液・尿は、非侵襲的かつ日常的に採取可能な体液で、健康管理に重要なバイオマーカーを多く含む。POCT(臨床現場即時検査)技術の進展によって、これらの体液を利用した健康管理が容易になっている。汗に関しては、電気化学センサー技術を用いたアルコール検知が普及している。唾液中のバイオマーカーを高感度で検出する技術や、スマートフォンと連携して尿から複数のバイオマーカーを検出する家庭用デバイスなどの開発が進んでいる。
スタートアップ企業9社、
中小企業2社
の動向を分析
呼気センシング技術は、測定対象がCO₂(二酸化炭素)やVOC(揮発性有機化合物)などに拡大し、デバイスの小型化が進んだことで用途が広がっている。医療用途では、肺がん、乳がん、胃がんなどのがん診断や、糖尿病、心臓病、神経変性疾患の早期発見などの用途が挙げられる。
スタートアップ企業5社、
中小企業1社
の動向を分析
基礎的な健康管理の生体情報として活用されてきた体温では、基礎体温や深部体温を簡単に測定できる技術が製品化されている。体温センサーと心電図など複数の測定項目を含む機能を組み合わせたデバイスを用いた遠隔医療の応用も広がる。体動センシングの応用範囲は広く、ヘルスケア分野ではリハビリ支援、高齢者の転倒防止と見守り、遠隔からの患者モニタリングなどが挙げられる。
スタートアップ企業8社、
中小企業1社、
大学1校
の動向を分析
脳センシング技術は、アルツハイマー病やパーキンソン病のような神経変性疾患の理解と管理に重要な役割を果たし、ストレスや認知疲労、脳の血流状態の把握など包括的な健康管理ツールとしても期待を集めている。従来のEEG(脳波測定装置)は、高い時間分解能を持つ一方で空間分解能が低く、主に皮質の活動しか測定できない。近年では、脳の電気的活動に伴う磁場を非接触で測定する手法の研究が進み、脳の活動を連続的かつ簡便に測定することで脳機能の理解がさらに深まると期待されている。
スタートアップ企業7社、
大手・中堅企業1社、
大学2校
の動向を分析
睡眠モニタリングは、近年、ウエアラブルデバイスの開発が進展し、複数のセンサーを組み合わせて睡眠の質や睡眠時無呼吸症候群リスクを自宅で評価できるようになっている。AI分析を用いることで、より高度な睡眠の分析による精度の向上が期待できる。
社会的および経済的なストレスを引き起こしたCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックをきっかけに、日本を含む多くの国でメンタルヘルス問題のリスクが増加し、メンタルヘルスサービスへの需要が高まっている。ウエアラブルデバイスなどを通じて心拍、血圧、呼吸、発汗量、体動などを測定し、これらのバイタルサインを基にストレス状態や感情を評価する技術への関心は今後も高まり続けるだろう。
スタートアップ企業7社、
中小企業1社、
大手・中堅企業1社の
動向を分析
音響センサー技術とAI分析の進歩によって、体音響に基づく非侵襲的な診断、モニタリング技術の開発が注目を集めている。ヘルスケア分野では、心血管や呼吸器、消化器の疾患で特に生体音の活用が進んでいる。例えば、デジタル聴診器はオンライン診療での活用が期待されている。また、スマートフォンのマイクを使用して、声やせきから喘息(ぜんそく)、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、COVID-19を検出する技術も登場している。今後、患者の遠隔モニタリングが普及し、早期診断や治療の指針となるだろう。
スタートアップ企業3社、
中小企業2社、
大手・中堅企業1社、
大学2校
の動向を分析
フェムテックでは、月経周期の追跡、排卵予測、ホルモンレベルのモニタリング、女性特有の疾病の管理などを実現する製品が次々と登場している。例えば、心拍、呼吸、睡眠、月経周期をモニタリングできるファッショナブルなブレスレット型のウエアラブルデバイスで、女性の日常の健康管理をサポートするサービスなどがある。AI分析やビッグデータ解析などを統合的に活用することで、個別化医療や更年期症状への新しいアプローチの開発が期待できる。フェムテックは女性の健康問題に対する新しいソリューションを提供する分野として、今後も成長していくだろう。
スタートアップ企業3社、
中小企業1社
の動向を分析
※写真はイメージです。本レポートに掲載しているものではありません。
ヘルスケア分野の生体センシング全体を俯瞰した時のキーワードは、「利便性向上」「センシング技術の高度化」「ビジネスモデルの変化」の3つがある。それぞれの将来的な展望などをベースに生体センシングに関する開発動向を分析する。
『生体センシング最前線2030 ヘルスケア編』「第1章 技術開発の直近動向」を基に作成
センシング技術の手法を
「光学」 「電気信号」 「機械量」
「音」 「生化学」 「電気化学」
「磁気」 「電磁波」 「その他」
の9種類に分類し、それらをベースに企業の取り組みや技術開発の動向を分析します。
ヘルスケア分野において、生体センシング技術は特に血糖値や心電・心拍のモニタリング技術が注目を集めている。米国や欧州、日本における主要な死因である心疾患悪性腫瘍(がん)は罹患後の長期モニタリングや術後管理が求められるため、生体センシング技術の重要性は高い。この他の分野でも、医療機関とバイタルデータを共有し遠隔モニタリングを提供するサービスが増え、生体センシングを活用した「SaMD(プログラム医療機器)」が広がりつつある。
『生体センシング最前線2030 ヘルスケア編』「第1章 技術開発の直近動向」を基に作成
2030年に向けて、ヘルスケア分野における生体センシングの大きなキーワードは「高齢者」と「女性」である。生体センシングに関連する市場の今後の成長は、先進国を中心に急速に進む高齢化と、女性の購買力の向上という2つの大きな潮流が支える。
生体センシング最前線シリーズ
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