未来のマーケット・ニーズを予測し、そこから求められる機能、実現するために
必要な技術を推定する
アプローチ手法で、今後10年の技術進化を予測。
すでに、1,700を超える技術系・研究機関にて、R&D戦略の立案ツールとしてご活用いただいています。
バーをプルダウンして他の詳細ページもご覧ください。
本レポートの見積書を希望される方は こちら からダウンロードください
本レポートを手軽に社内資料や営業提案にご利用いただけるオンラインのオプションサービスが始まりました。詳しくはこちらを ご覧ください。
新型コロナウイルスがもたらしたパンデミックの長期化、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、そして、これらに伴って起こった世界のサプライチェーンの混乱やエネルギー価格の高騰は、世界の自動車・エネルギー産業に大きな影響をもたらしています。同時に、CASEに代表されるクルマの電動化や知能化は、ますます加速しています。こうした時代の変化を背景に、本レポートは『テクノロジー・ロードマップ2021-2030自動車・エネルギー編』を2年ぶりに全面刷新し、汎用EVプラットフォーム、ビークルOS、UL4600、新世代モーター、太陽光発電、風力発電など、新たな9つの技術テーマを含む、自動車・エネルギー分野における68の重要テーマについて、これから10年の技術進化を予測します。
タイトルをタップすると詳細を表示します。
世界的に電動化が進む中でも、2030年代末までは、何らかのエンジンを搭載する自動車がグローバル販売台数の過半を占めると予想され、熱効率の向上は続く。CO2削減にはガソリンエンジンやディーゼルエンジンの改良に加え、カーボンニュートラルなe-Fuelも有望な解になる。
欧州を筆頭に世界で環境規制の大幅な強化が進み、世界の完成車メーカー各社はパワートレーンの電動化を加速する必要に迫られている。相次いでEV(電気自動車)のラインアップを拡充するほか、部品メーカー各社はE-Axleなどの要素技術の開発を進める。
パワートレーンの電動化が進む中でも、変速機は当面残る。一つの方向は変速機にモーターを組み込むことにより、エンジン車の走行性能と燃費を向上させることだ。そしてもう一つの方向は、モーターに変速機を組み込むことで、EVの効率を向上させることである。
世界の電動車に使われるモーターの主流はPM(永久磁石)モーターであるが、高速走行時の効率低下や、希土類元素の価格高騰などから、PM以外のモーターの開発も活発になっている。同時に、モーターを駆動するインバーターでも、損失の少ないSiC(炭化ケイ素)パワー素子の採用が増加し、さらにその先にはGaN(窒化ガリウム)パワー素子の実用化も見込まれる。
現在、電動車向けの電池としてはLi(リチウム)イオン電池が主に使われているが、より高いエネルギー密度や信頼性を狙い、全固体電池や多価金属電池、金属空気電池といった次世代の革新的な電池の開発が進んでおり、2020年代後半の実用化が見込まれる。
ADAS(先進運転支援システム)の普及が進み、従来の自動運転「レベル2」から、“ 手放し運転”などが可能な「レベル2+」に進化する一方、クルマに運転権限を移譲する「レベル3」以上の自動運転も徐々に普及が進むと予想される。しかしそのためには安全性の評価手法の確立や社会受容性を上げるための法整備などが課題になっている。
これまでADAS用センサーとしてはカメラやミリ波レーダーが中心的に使われてきた。これらのセンサーの改良が進む一方で、今後はレーザーを使うセンサーであるLiDAR(Light Detection and Ranging)の搭載が増加していく。ただし、LiDARの使い方はメーカーにより考え方が異なっており、要求の違いに応じてLiDARの検知方式も多様化が進みそうだ。
自動運転機能の搭載や電動化、車両制御の高度化、さらにはコネクテッド化などにより車載半導体に求められる演算機能はますます高くなっている。このため半導体メーカー同士の競合が激しくなっているほか、交通流の最適制御のためにサーバー側でも桁違いの性能のコンピューターが求められており、アニーリングマシンと呼ばれる擬似的な量子コンピューターの開発が進んでいる。
これからのクルマはコネクテッド化が当たり前になり、そのために車載OSには、従来別のシステムだった制御系と安全系のシステムを統合することが求められる。バッテリーの残存価値評価などにブロックチェーンの活用も始まる。さらに、クルマの機能が高度化するのに伴って、これを使いこなすためのHM(I ヒューマン・マシン・インタフェース)では、表示に加えて音声が重要性を増す。
車両の電動化や知能化に伴ってエンジニアリング・シミュレーションや汎用EVプラットフォームの活用などによりハードウエアの開発効率を向上させる必要性が高まる。様々な設計データを一元管理できるプラットフォームの整備なども喫緊の課題である。車載システムの複雑化に対応してEMC(Electromagnetic Compatibility)対策も難易度が増す。
これまで自動車用材料の中心だった鋼板の強度向上は今後も継続するが、並行して、高級車を中心にアルミニウム合金の使用比率が着実に上昇する。また樹脂製外板や樹脂ガラスの採用も進む。3Dプリンターはこれまで試作に使うことがほとんどだったが、今後は最終製品へ応用する動きが活発化する。
車載システムの複雑化に対応するため、車載ECU(電子制御ユニット)は様々な機能を集約した統合ECUへと進化する。複雑化する車載ソフトウエアの開発を効率化するため、OSだけでなくソフトウエア開発環境まで含めたビークルOSの開発を大手完成車メーカーや部品メーカーが進める。OSS(オープンソースソフトウエア)やモデルベース開発の活用もますます高度化する。
自動運転技術を活用したロボットタクシーや空飛ぶクルマなどの新しいモビリティーが実用化すれば、都市計画に大きな影響が及ぶ。パンデミックにより人との接触を減らす傾向が強まり、物流にも自動配送ロボットが導入される。様々なモビリティーを統合して移動を効率化するMaaS(Mobility as a Service)の導入も本格化する。
太陽光やバイオといった再生可能エネルギーの導入拡大に伴って、エネルギー制御を最適化する次世代の電力網が必要になる。世界的に発電容量の拡大が続く太陽光発電は、有機系の材料を活用することで低コスト化が期待される。水素エネルギーの利用拡大は、カーボンフリー水素の生産拡大と低コスト化がカギを握る。カーボンフリー水素の製造法としては、原子炉の高温で水素を生み出す高温ガス炉も注目されている。
※内容は変更になる場合があります。
事前に本レポートの閲覧を希望される場合は、「資料請求・お問い合わせ」フォームの「お問い合わせ内容」欄に "閲覧希望" とご入力のうえご連絡ください。折り返し、小社営業担当者からご連絡させていただきます。